「副業と複業って同じような言葉があるけれどなにが違うの?」
「本業以外で働くなら副業と複業どちらがいいのかわからない…。」
新しい働き方を模索しつつも、実際にどう働けばいいのかわからないと悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
副業と複業の意味や自分に合う働き方を理解しないまま始めると、就業規則違反や働きすぎにつながるおそれがあります。
本記事では、副業と複業の定義の違いを整理したうえで、それぞれのメリット・デメリットを客観的に解説します。普段は会社員として働きながら複数の収入源を築いているプロのライターが、実体験をもとに具体的にまとめました。
この記事を最後まで読めば、自分のスキルに合う働き方を整理しやすくなります。副業や複業に向けた現実的な第一歩を踏み出だせるでしょう。
副業と複業の違いを明確にする基本的な定義

副業と複業は、仕事への向き合い方や目的に明確な違いがありますが、どちらも本業以外に仕事を持つ働き方です。
ここでは、それぞれの基本的な定義と特徴について、わかりやすく解説していきます。
副業の定義:「本業+サブ」の働き方
副業とは一般的に、本業を持ちながら空いた時間で別の仕事を行う働き方を指します。
例えば、平日は会社員として働きながら、休日にWebライティングや動画編集などの仕事で収入を得るケースが挙げられるでしょう。実際に私も平日の昼間は本業、平日の夜や休日は副業で収入を得ています。
あくまで本業を第一に考え、余暇を使って手軽に取り組める点が副業の大きな特徴です。また、厚生労働省でも「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を出し副業を促進しています。
複業の定義:「すべてが本業」の働き方
複業は一般的に、複数の仕事をいずれも本業として捉える働き方を指します。一つの会社に依存せず複数の仕事をいずれも本業として担う考え方に基づく働き方です。
具体的には、IT企業でシステム開発を担当しつつ、個人でもWeb制作や情報発信を本業レベルで行うような働き方があげられます。
どちらの仕事にも優先順位の差をつけず、同じ責任感で取り組むのが複業の特徴です。
目的の違い:「収入増」か「自己実現」の働き方
副業と複業では、仕事を通じて達成したい目的に大きな違いがあります。副業は「収入を増やす目的が中心」で、複業は「スキルアップや自己実現を重視する傾向」があります。
今の給料に毎月数万円を上乗せしたいなら、副業が適しているでしょう。一方、将来の独立を見据えてスキルを別の分野で試したり、自分のやりたい事業を形にしたりしたい場合は複業が向いています。
自分が新しい働き方に何を求めているのかを整理することで、選ぶべきスタイルが見えてくるのです。
副業と複業の違いから得られるメリット

新しい働き方を始めることで、金銭面やキャリア面でさまざまな恩恵を受けられます。ここでは、副業と複業のそれぞれに特有のメリットと、両者に共通する大きな強みについて詳しく見ていきましょう。
副業のメリット:手軽な「収入の補填」
副業の最大のメリットは、未経験でも始めやすく収入を増やす選択肢を持てる点です。特別なスキルや大きな初期費用を必要としない仕事が多く、すき間時間を使いやすいためです。
ネット上で仕事の受発注が出来るクラウドソーシングサイトを使えば、以下のように始めやすい仕事がすぐに見つかります。
- すき間時間でできるアンケート回答
- 未経験から挑戦しやすい簡単なライティング案件
- 趣味を活かせるデータ入力や軽作業
本業の給料に加えて月に数万円の副収入があれば、貯蓄に回せるお金が増えます。その結果、将来に対する金銭面の不安がやわらぐでしょう。
複業のメリット:高度な「スキルの相乗効果」
複業の大きな利点は、別の仕事で得た知識や経験を互いに活かせることです。その結果、対応できる業務の幅や課題解決力を伸ばしやすくなります。複数の環境で実務を経験することで、一つの会社にいるだけでは得られない幅広い視点やノウハウが身につくのです。
例えば、本業で培った知識を活かして複業で記事制作や講師業に取り組めば、構成力や提案力も伸ばしやすくなります。得られた知見を本業に還元すれば社内評価も上がり、市場価値をさらに高めることが可能です。
共通のメリット:強固な「リスクの分散」
副業と複業のどちらにも共通する最大のメリットは、収入源が複数になることでしょう。勤務先の業績悪化や失職が起きたときの収入減少リスクを抑えられます。
一つの会社の給料だけに依存していると、会社の業績悪化や倒産といった不測の事態に直面した際、生活が行き詰まる危険性があります。仮に本業の収入が減ってしまったとしても別の仕事からの収入があれば、リスクが分散され精神的な余裕が生まれるでしょう。
複数の収入源やスキルを持つことは、自分を守る強力な防衛策となります。
副業と複業の違いから生じるデメリット

メリットの裏には、当然ながら注意すべきデメリットも存在します。働き方の違いによって直面しやすい課題やリスクをあらかじめ理解し、無理のない計画を立てることが成功への第一歩になるでしょう。
副業の罠:長時間労働による「心身の疲労」
副業を始める際にもっとも気をつけたいのが、労働時間が長くなることによる心身の疲労です。本業が終わった後の夜間や休日を副業の時間に充てるため、どうしても十分な休息を取りづらくなってしまうからです。
実際に私も平日の夜遅くまで作業を詰め込んでしまった結果睡眠不足に陥り、翌日の本業でミスをしました。
目先の収入を増やすことに気を取られず、自分の体力や本業に悪影響が出ない範囲でペース配分を欠かさずに考えましょう。
複業の壁:高いプレッシャーがかかる「自己管理」
複業に取り組む場合、徹底したスケジュール調整と高度な自己管理能力が求められます。複業では、すべての仕事を「本業」として責任を持ってこなす必要があるからです。納期や品質に対するプレッシャーが非常に大きくなります。
本業の仕事が佳境を迎えている時期に、並行して進めている個人の案件でトラブルが起きれば、両方に迷惑をかける事態に発展します。どちらの仕事も中途半端にならないよう、仕事量をコントロールして自分を律する強い意志を持つことが不可欠です。
共通の課題:知識と手間の「税金申告」
本業以外の仕事で収入を得た場合、確定申告などの税務手続きが必要になります。会社員であれば通常は会社が年末調整を行ってくれますが、副業や複業で得た所得が一定額を超えると、自分で確定申告を行う義務が生じるからです。
本業で年末調整を受けている会社員は一般的に、副業・複業の所得が年間20万円を超えると所得税の確定申告が必要です。詳細は国税庁や税理士の案内も確認してください。
正しい知識を持たずに申告を怠るとペナルティを受ける可能性もあります。早いうちから、所得の考え方や経費の扱い、申告期限などの基本を学んでおくと良いでしょう。
副業と複業の違いを踏まえた適性チェック

自分の現状や目標に合っているのは「副業」なのか「複業」なのかの見極めが重要です。ここでは、3つの具体的なケースを挙げながら、副業と複業の適性を判断するための客観的な基準を解説します。
「副業」適性:すき間時間での手軽な収入確保
まずは大きな負担を避けながら手元のお金を増やしたい方は、副業から始めるのがおすすめです。複雑な準備や高度な専門スキルがなくても始めやすく、少しの空き時間を収入につなげやすいためです。
「毎月の外食費を稼ぐために、週末の2時間だけデータ入力をする」など明確な目的と目標を決めて取り組むとうまくいきます。
リスクを分散しながら、自分の力で稼ぎたい人は、副業が向いているでしょう。まずは週に使える時間と月の目標額を決めて、取り組む仕事を1つに絞ると始めやすくなります。
「複業」適性:スキルを活かした市場価値の向上
すでに専門的なスキルを持っており、スキルを別の場所で試してみたいと考えるなら複業が適しています。
培ってきた実務経験を別の環境で発揮することが出来るでしょう。さらに新たな課題解決能力が身につき、対応できる業務の幅が広がり、市場で評価されやすくなるためです。
例えば、本業の知識を活かして外部企業の業務改善を支援したり、専門分野の情報発信を行ったりする方法があります。
今の会社の外でも通用するキャリアを築きたい方には、複業が有力な選択肢です。まずは自分の専門性を整理し、外部で提供できる業務を1つ決めるところから始めましょう。
「複業」適性:将来の独立に向けたキャリア構築
将来的にフリーランスとして独立したり、自分の会社を立ち上げたりしたいと考えている方には、複業を強く推奨します。会社員としての安定した給料を確保しながら、起業に向けたマーケティングや人脈作りを安全に行えるからです。
いきなり会社を辞めるのではなく、まずは複業として小さくサービスを始め、最初の顧客獲得を目指すのが現実的です。売上の見通しが立ってから独立を検討すると失敗しにくくなります。
独立や起業を目指すなら、リスクを最小限に抑えながら準備を進められる複業から始めることが、成功への近道と言えるでしょう。
実際の仕事のはじめ方と注意点

自分の進むべき方向性が見えたら、いよいよ行動に移す段階です。ここでは、会社員が安全かつスムーズに新しい活動を始めるために、必ず押さえておくべき手順と実践的なノウハウを解説します。
注意点:会社の「就業規則」を確認
新しい働き方を始める前に、何よりも先に行うべきなのが勤務先の就業規則の確認です。企業によって副業・複業に関するルールが異なるため、会社とのトラブルを防ぐには事前に就業規則を確認する必要があるからです。
就業規則について具体的には、次の項目を必ず確認してください。
- 事前の許可や届出が必要か
- 同業他社での仕事が禁止されていないかリスト
- 労働時間に関する制限があるかスト
安心して活動に専念するためにも、まずは就業規則を正しく理解した上で第一歩を踏み出しましょう。
準備:自分の「強み・スキル」を整理
就業規則に問題がなければ、次は自分自身の強みや提供できるスキルを棚卸しして整理します。自分が何を得意とし、市場にどのような価値を提供できるのかを客観的に把握することが、仕事選びの軸になるからです。
本業で培った経験だけでなく「趣味で続けている動画編集のスピード」「文章を論理的にまとめる力」など、些細に思えることもすべて書き出してみます。自分の強みを整理したら、以下のように『できること』『実績』『使える時間』を3列で書き出してみましょう。
| できること(スキル・強み) | 実績(経験・成果) | 使える時間(週あたり) |
|---|---|---|
| ブログ記事の執筆 | 個人ブログ運営(月間1万PV) | 平日夜2時間、休日4時間 |
| Excelでのデータ集計 | 本業での売上管理業務(3年) | 休日のみ5時間 |
自分の強みを正確に把握することが、成果を出すための第一歩となります。
実践:「小さな案件」から積み上げる実績
実際に仕事に応募する際は、最初から大きな収入を狙わず、確実に対応できる小さな案件から受注するのがおすすめです。
実績がないうちは、好条件の仕事を得るのが困難です。初めからキャパシティを超える仕事を引き受けると納期に間に合わない等のトラブルになります。
最初はクラウドソーシングサイトなどで単価が安い単発案件に応募しましょう。指定された納期と品質を厳守してクライアントからの信頼と評価を獲得することに集中します。
まずは1件目の案件獲得を目標にし、納期厳守と丁寧な対応の徹底が重要です。初期の実績が、単価アップや継続依頼につながります。
副業と複業に関するよくある質問

- アルバイトやパートは副業・複業のどちらですか?
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副業と複業には厳密な法的定義の差はありません。一般的には「雇用形態」ではなく、「収入の中心かどうか」や「その仕事にどれだけ重きを置くか」で使い分けられます。
アルバイトやパートの場合、本業の傍ら時間を使って収入を補う目的であれば「副業」と呼ばれます。
複数のアルバイトを掛け持ちし、それぞれに専門性や目的を持って並行させる場合は「複業」と表現されることもあるからです。
参照:厚生労働省:副業・兼業の促進に関するガイドライン - 正社員として働きながら「複業」をすることは可能ですか?
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結論として、正社員が複業を行うこと自体は一般には可能です。就業規則上の競業避止義務や守秘義務に反する場合は制限を受けるため、勤務先の就業規則の確認が前提になります。
会社の就業規則で、「競業避止義務(ライバル会社で働かない)」「守秘義務」「職務専念義務」が定められている場合があります。これらに反すると、懲戒処分の対象となる可能性があるのです。
- 確定申告は年間いくら稼ぐと必要になりますか?
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本業で年末調整を受けている会社員は、副業・複業の売上そのものではなく、売上から経費を差し引いた所得額で判断しましょう。差し引いた所得額が年間20万円を超えると、所得税の確定申告が必要になります。
注意点として、所得税の確定申告が不要な場合でも、住民税の申告が必要になることがあります。詳細はお住まいの自治体に確認してください。
参照:国税庁「スマホで確定申告(副業編)」 - 複数の仕事を持つ場合は社会保険の扱いはどうなりますか?
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社会保険(健康保険・厚生年金)は、原則としてそれぞれの会社で加入条件を満たすかどうかで決まります。
複数の会社で加入条件(週20時間以上など)を満たした場合は「健康保険・厚生年金保険被保険者所属選択・二以上事業所勤務届」の提出が必要です。そのうえで、合算した報酬額に応じた保険料を按分して支払うことになります。
一方、副業が個人事業(業務委託)の場合は、本業の社会保険のみで完結します。
- 会社にバレずに副業・複業を行うことは可能ですか?
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確定申告時に住民税の徴収方法を「普通徴収(自分で納付)」に選択すると、会社にバレるリスクを大きく下げることが可能です。
副業が会社に発覚する最大の理由は、副業の所得によって全体の住民税額が上がり、本業の会社の経理担当者に気づかれてしまうためです。ここで「普通徴収」を選べば、副業分の住民税の納付書が自宅に届くようになるため、住民税経由での発覚を防ぐことができます。
ただし、完全に防げるわけではありません。
アルバイト等の「給与所得」の場合は自治体によって普通徴収が認められないケースがあります。SNSでの発信、同僚への口外、あるいは住民税以外の社会保険手続きから発覚するケースも少なくありません。
参照:総務省「個人住民税の特別徴収制度」
まとめ:副業と複業の違いを理解して、新しい働き方を始めよう
副業は本業をベースに、すき間時間で収入を補う働き方です。複業はすべての仕事を本業として捉え、スキルの相乗効果やキャリア形成を目指す働き方になります。どちらも収入源を分散できるメリットがあります。
「副業か複業か」を選ぶポイントは、今の自分の状況とゴールに合わせることが大切です。まずは会社の就業規則を確認して、自分の強みを整理するところから始めてみましょう。焦らず小さな一歩を踏み出すことが、新しい働き方への近道になります。

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